T型プローブ

T型プローブは神経ブロック注射やカテーテル挿入などを行う際に使用する装置。超音波ガイドを活用し、画面で確認をしながら安全に穿刺ができるので、医療事故を未然に防ぐことができます。

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それは医療関係者の声から始まった

「看護師が安全に採血の練習ができるような装置を作っていただけませんか」——T型プローブの開発は、とある大学病院関係者から寄せられた切実な声からスタートしています。
その期待に応えようと立ち上がったのがメディカル事業部のスタッフたち。安全に穿刺が行える装置を作ることができれば、医療現場の負担を減らせると考えたのです。

開発に至った経緯

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開発を断念したT型プローブとの出会い

2012年冬、メディカル事業部長の石黒稔道は会社の大掃除をしていたところ、ある装置の存在に気が付きました。
それが開発途中のT型プローブだったのです。
石黒の前任の小林和人が開発に乗り出していましたが、「商売にならない」との経営判断がなされ、いつしか忘れ去られた存在になっていたのです。このまま捨てられてしまうのも時間の問題でした。

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途中で投げ出さず最後まで開発を

「せっかくここまで開発してきたのに、このまま捨ててしまうのはもったいない」。そう思った石黒は、後を受け継ぎ、T型プローブを自らの手で作り切ってみせると心に誓います。すっかり開発者魂に火の付いた石黒は、経営陣を説き伏せ、新たな装置開発の了解を取り、新しいT型プローブの開発に取り組み始めたのです。

Passion

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もっといいものをつくりたい創業者から受け継ぐ本多イズム

本多電子の創業者である本多敬介は、27歳で会社を立ち上げ、すぐに世界初の魚群探知機を開発しました。石黒はそんな敬介に憧れ2006年に中途入社。「もっといいものを自分でつくりたい」という敬介イズムを継承し、今日もものづくりに取り組んでいます。

開発に向けた課題

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いいものができても売り先が…

「面白いことをやりたい」という技術屋マインドから始まったT型プローブの開発。使いやすくて安全で画期的な製品ができ上がりましたが、それだけですぐに売れるというものではありません。
全国の病院などに売り込みをかけましたが、なかなかよい売り先が見つからず、ビジネスとしての見通しは厳しいものでした。採血の練習をするための装置に、費用はかけられないというのが病院側の実情でした。

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新しいシーズを見つけ、ニーズに変える

そこで石黒は視点を変えてみることに。今までは見えなかったシーズを見つけることに力を入れることにしました。
見つけ出したシーズに新しいアイデアを加え、ニーズへと結び付けることができれば、T型プローブの新たなビジネスチャンスが広がると考えたのです。
そして見つけたシーズは治療スタイルでした。

課題を乗り越えて

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インターベンションで使えるT型プローブ

ひと昔前の治療(手術)は、患部付近にメスを入れ、体を開き、処置をしていました。それが今では医学の進歩により、カテーテルを使い、メスを使わない治療が主流となっているのです。インターベンションの際に、T型プローブを活用することで、治療や事前検査の安全性はこれまでと比べて格段に高まることになりました。石黒は全国のドクターに向けて販売を開始。興味を持ったドクターから声がかかるようになったのです。

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ドクターの意見を改良に反映

石黒はT型プローブを購入したドクターに対し、モニター調査を実施。使い勝手や改善点などを徹底的に吸い上げ、さらなる改良に取り組んでいます。
「T型プローブを買ってくださったドクターが、この機械のことをどう見ているのかをとても重要視しています。意見を反映させ、もっといいものを作りたいと思っています」

今後の展望

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“ありそうでなかったもの”を“あるもの”に

T型プローブはまさに、“ありそうでなかったもの”。そこにシーズとニーズがありました。そのニーズは国内にとどまらず、海外にも。ヨーロッパの医療関係者からも注目を浴びているそうです。
石黒はこう話します。「医療分野にはまだまだ“ありそうでなかったもの”がたくさんあるはず。そこを拾っていき、製品化することで医療の充実に貢献したいですね」

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医療の充実に貢献したい

石黒はT型プローブで診療補助だけではなく穿刺などの処置ができるNP(ナースプラクティショナー) の普及にも貢献したいと考えているそうです。
「認定を受けているNPは全国で600人ほど。この数が10万人ぐらいまで増えればドクターの負荷も軽減され、医療はもっと充実するはずです」。ここでもT型プローブの活用が期待されます。

Passion

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どんなに苦しくてもチャレンジを続ける姿勢が大切

開発は10個取り組んだうち、1つでも成功すれば御の字の世界。お金をすぐに生み出さないので、不況時には真っ先にリストラの対象となってしまう。「だからこそ、やり続けるべき」だと石黒は言う。「開発をやめたら本多電子は本多電子ではなくなります」

開発者の紹介

About Me

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メディカル事業部長
石黒稔道

学生時代に創業者である本多敬介の講演を聞き感銘。その後社会人になり産学官連携事業で出会った研究部の小林和人部長にもしっかり本多イズムが伝承されていたことから転職を決意しました。

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