医療診断装置<エコーの名前で知られる超音波医療診断装置。おなかの中の赤ちゃんにも安全。>
[超音波ハンドブック]

超音波医療診断装置とは?

人にやさしく、リアルタイムに体内を表示する装置
超音波医療診断装置は、おなかの中の赤ちゃんに使用しても安全で、心臓の動きが観察できるリアルタイム性を兼ね備えた、他に置き換えのできない診断装置です。体表にプローブを当てるだけで、体内の1断層面をリアルタイムで観察することができます(図3-25-1)。プローブの角度を変えながら断面観察すれば、三次元の構造も理解でき、心臓の動き、肝臓、腎臓などを観察して、生活習慣病の早期予防、腫瘍の発見等、幅広い医療分野で使用されています。X線検査とは異なり、放射線被ばくの問題が無いため、超音波検査室だけでなく診察室や病室でも使用できます。

超音波医療診断装置の表示方法及び走査方式

リアルタイム表示
プローブは、短冊状の超音波振動子を一次元配列状に並べた構造になっています。端から順番に発信される超音波が、生体内を伝搬中に異なる組織の境界面で反射し、その反射エコーを受信します。素子を切り替えながら1画面で200回ぐらいの送受信を繰り返して画面にBモード画像を表示します。この繰り返しスピードが速ければ、プローブ下の1断層面をリアルタイムに観察することができます。

電子走査と電子フォーカス
しかし、1素子から発信した超音波は広がる性質を持つため、実際には、複数個の振動子群を使用し、電子フォーカスすることで分解能の高い画像を得ています。各振動子は、分離されていて、ばらばらに動作できる構造になっています。振動子群の端部の振動子を先に発信し、中央部の振動子のタイミングを遅らせて発信すれば、振動子群の中心軸付近に集束波のビームを作ることができます。受信も同様に振動子群の各振動子で受信しますが、時間をずらしながら合成することで、焦点付近で分解能の高い画像を得られます。振動子を直線的に配列したリニアプローブだけでなく、振動子を扇状に配列したコンベックスプローブを用いることで、視野の広い画像を得ることができます。

図3-25-12

ドプラ診断装置・最近の技術

カラードプラ法
血管など血流のある部分に色付けして、白黒Bモード画像の上に、血流をカラーで表示することで診断に役立てます。プローブに近づく血流が赤系統の色、遠ざかる方向の血流が青系統の色で表示され、これから血液の流れる方向、流速を知ることができます。

パワードプラ法
ドプラシフト信号の強度から血管の走行や遅い血流を表示することで、蛇行した血管や細い血管を診断することができます。腎臓等の腹部の末梢血管の観察に利用されます。

ハーモニックイメージング
送信周波数に対してその高周波成分が戻ってくることを利用した方式です。受信した高周波成分を映像化すると従来の超音波画像と比較して、ノイズ成分を軽減した画像が得られます。また、マイクロバブルにより高周波成分を増強することで血腫等を観察できるようになります。

三次元表示
右図は、連続的に収集されたBモード画像を元に三次元表示したものです。専門的な知識を持たない患者さんへの病状の説明、子宮内の赤ちゃんの成長の紹介に利用されています。

体内三次元動態可視化(リアルタイム三次元表示)
リアルタイムで三次元観察ができるので、心臓内の弁の開閉の状態を立体的に観察できます。

携帯型小型診断装置
小型でも高性能な診断装置を使用することで、聴診器のように気軽に持ち運びができるようになります。いつでも、どこでも利用する事が可能になります。

高周波診断装置
15MHzを超える高周波超音波は、表在組織を優れた解像度で得ることができます。高周波超音波を利用することで、乳癌や甲状腺の診断に適しています。

◎参考文献:
・「超音波観察法・診断法」(大井川宏明/東洋出版/1997)
・「はじめての超音波」(超音波工業会/工業調査会/2004)

図3-25

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