距離計測<距離計測は超音波計測の基本。どうやって距離を測るのだろう?>
[超音波ハンドブック]

超音波による距離計測

距離を測るには?
距離を測るときに使う道具は何でしょうか?定規やメジャーを思い付く人が多いでしょう。しかし、物体までの距離を知りたい場合には、メジャーの端を揃えて目盛りを読み取らなくても、超音波を当てて跳ね返ってくるまでの時間を計るという方法で、距離を計測することが可能です。人が入るには危険な場所での計測や、タンク内の液量を連続的に計測・管理する場合などに超音波距離計測は有用です。空中でも液中でも金属の中でも、音が伝わる環境ならば、超音波による距離計測が可能です。

超音波による距離計測の原理

距離=速度×時間  音速と伝搬時間から距離が分かる
超音波を対象物(液面、固体等)に向け発信すると、境界面で反射して超音波が戻ってきます。音速が分かれば、超音波が戻って来るまでの時間を計測することで、対象物までの距離を知ることができます。対象物までの距離Lは、音速をC、発信から受信までの時間をtとすると
  L=C×t/2
で求まります(図3-1-1)。
ところで、音(超音波)の速度は、空気中や水中など、音を伝える媒体によって異なります。また、空気中の音速は約340m/sですが、厳密には温度、湿度によって変化します。例えば、温度が高いほど音速が速くなる傾向があり、乾燥空気の温度をT[℃]とした場合、音速C[m/s]は次の式で表されます。
  C=331.5×((273+T)/273)
または実用式として
  C=331.5+0.6T
このため、超音波送受信器に温度センサを内蔵して、温度補正を行うことが一般的です。

図3-1-12

距離計測用の超音波振動子

重要なのは超音波の指向特性と到達距離
超音波の送受信には超音波振動子を使用します。超音波振動子は、超音波の発信機でもあり、受信センサの役割も果たします。したがって、送受信を一つの超音波振動子で行う場合、音を出している間(振動子駆動時間の間)は受信できないことになります(この時間を不感帯といいます。)距離計測用の超音波の周波数は、20kHzから400kHzが使用されますが、周波数の選定は、
以下の理由から超音波の指向特性と到達距離により決定されます。 1)周波数が低い(波長が長い)ほど、減衰が小さく、遠くまで届く
2)周波数が高い(波長が短い)ほど、距離分解能が高い
以上より、長距離用には低周波の超音波振動子を、近距離用には高周波の超音波振動子を用います。図3-1-3に、超音波の周波数と空気中における距離計測の目安を示します。また、図3-1-4に示すように、計測対象の材質によっても反射損失が変わってくるため、この点も考慮する必要があります。

超音波による距離計測の特徴

超音波は速度が遅く、波長が短いから精度が良い
波動による距離計測としては、超音波の他に、光波、電磁波等が利用されています。いずれも直進性、反射、干渉などの波動の性質を利用したものですが、伝搬速度、波長の違いから、それぞれに得手不得手があります。超音波による距離計測の特徴としては、
1)電磁波、光波に比べて伝搬速度が遥かに遅いことから、計測に要する 時間軸が長く、精度良く測定できます
2)電磁波に比べて波長が短いため、分解能が高く、精度良く測定できる
3(人体への安全性が高く、環境にも優しい
4)比較的安価である
5)光の透過度の悪い液体や固体中での距離計測や、光が反射しない 透明な物体までの距離計測に有利である
といった点があります。逆に、気泡を含んだ液体中など、減衰が大きくなってしまうような条件下での計測には、超音波は不向きです。また、ピンスポットの微小領域の変位を知りたい場合には、指向性が強い光学式のほうが有利です。

図3-1-34

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医療機器を検査している時に、自分の体で見ながら微細な調整をしていた生産担当者が、いつもと違う白い影を見つけました。病院で診察すると、なんと石ができていたという驚愕の事実が・・・!早期発見、早期治療で、無事に現在も医療機器の品質をチェックしています。


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